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「官僚にとって都合の悪い情報は出て来なくなる」-。参院で審議中の特定秘密保護法案の問題点を探るシンポジウムが30日、 福岡市・天神であり、沖縄返還に伴う日米密約を暴いて有罪判決を受けた元毎日新聞記者、西山太吉さん(82)らが法案を痛烈に 批判した。参加したパネリストたちは「日本の民主主義が壊れかかっている」と強い口調で廃案を求めた。  メディア各社の労組でつくる「福岡MIC」などが主催。弁護士や大学教授、新聞記者など5人がパネリストとして討論した。  基調講演を行った西山さんは防衛、外交分野を中心に「『秘密』が際限なく無限に広がる可能性がある」と指摘。「国が正しい情報を 流し、主権者である国民の判断を仰ぐのが民主主義だが、これでは官僚の都合の悪い情報が出ず、都合の良い情報をリークして 国民をミスリードする危険性がある」と語った。第三者機関設置についても「過去の有識者委員会は多くが省庁の意図に沿った人選」 と否定的な見方を示した。  テロ活動の防止も目的としている秘密保護法案。テロリズムの定義について、12条では「政治上その他の主義主張に基づき、 国家もしくは他人にこれを強要」する行為としている。福岡県弁護士会の武藤糾明弁護士は「一般市民によるデモまで拡大解釈 される危険性がある」と語った。原発情報が「秘密」扱いされる可能性について、メディア研究誌「放送レポート」の岩崎貞明編集長は 「既に秘密になっているし、その傾向は強まる」と懸念。首相が法案成立を急ぐ理由について西日本新聞の坂本信博記者は 「アベノミクスによる経済効果の出ているうちに、集団的自衛権の行使容認までのレールを敷こうという意思を感じる」と述べた。