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果物の丸ごと摂取で糖尿病リスク低下-ジュースは逆効果

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果物の丸ごと摂取で糖尿病リスク低下-ジュースは逆効果(2013.9.12掲載)

果物が体によいことに異論はないが、ではどういった種類の果物が何によいのかは明らかになっていない。

ハーバード大学公衆衛生大学院栄養学部准教授のQi Sun氏らはこのほど、2型糖尿病予防にはブルーベリーやブドウ、リンゴといった皮まで丸ごと食べるタイプの果物がよいが、果物ジュースは逆に糖尿病リスクを上昇させることを明らかにした。

ただし、同研究デザインは、果物あるいは果物ジュースの摂取が直接糖尿病リスクに影響することを証明するものではない。

Sun 氏は同大ニュースリリースで、「果物の丸ごと摂取は糖尿病予防に推奨されているが、過去に報告された研究結果で果物消費全体の結果をみると賛否両論の結果 になっている。今回のわれわれの結果は、ある種の果物が特に糖尿病リスクの低下に益することを示唆する新たなエビデンスとなった」と解説している。

検 討では、1984年~2008年に行われたNurses’ Health Study など医療関係者約19万人を対象とした3つの大規模疫学研究のデータから、果物消費と糖尿病発症との関連を解析した。参加者は登録当初、糖尿病や心血管疾 患、癌ではなかったが、その後約7%が糖尿病と診断されていた。

解析の結果、果物、特にブルーベリーやブドウ、リンゴを週に2回以上摂取 する人では、月1回程度摂取する人に比べ、2型糖尿病発症リスクが23%低いことがわかった。しかし果物ジュースを1日1杯以上飲む人では、そうでない人 に比べて糖尿病発症リスクが最大21%上昇していた。

この差を、果物と果物ジュースの消費以外の影響で説明することは可能だという。ある種の果物を多く食べる人では糖尿病リスクに影響する何か他の共通因子を持っている可能性があるからだ。

論文筆頭執筆者で同大研究フェローのIsao Muraki氏は、「糖尿病予防のための果物の丸ごと摂取という推奨をさらに裏付ける結果だ。この結果から、糖尿病予防に対するこの推奨をより洗練されたものにできるだろう」とコメントしている。

論文は 「BMJ」オンライン版に8月29日から公開されている。(HealthDay News 8月30日)


果物の丸ごと摂取で糖尿病リスク低下-ジュースは逆効果